タンザニアのマグフリ大統領が死去、61歳 数週間前から姿見せず
(CNN) アフリカ東部タンザニアのハッサン副大統領は17日、テレビ演説を行い、マグフリ大統領がダルエスサラームの病院で死去したと明らかにした。61歳だった。
ハッサン氏は演説で「マグフリ氏は10年超にわたって闘病を続けていた心疾患のため亡くなった」と説明。同氏が今月14日から病院で治療を受けていたことを明かし、14日間の服喪を発表した。
大統領代行にはハッサン氏が就任する。就任日はまだ発表されていないものの、タンザニア初の女性大統領となる。
マグフリ氏は毎週日曜日に教会の礼拝に姿を見せるのが通例だったが、2月27日以降は姿を現しておらず、海外で病気の治療を受けているのではないかとの臆測に拍車がかかっていた。
大統領死去の報道を受け、野党指導者のジット・カブウェ氏は遺族への弔意を表明。「我が国にとって前例のない事態だ。間違いなく我々全員が非常に個人的な感慨を覚えるだろう」と述べた。
海外の首脳では英国のジョンソン首相がいち早く弔意を表明し、ツイッターに「私の思いは彼の愛する人やタンザニア国民と共にある」とつづった。
マグフリ氏は汚職への厳しい姿勢や強硬政策から「ブルドーザー」の異名で知られる。2015年10月の選挙で勝利し、第5代タンザニア大統領に就任した。
だが、就任後のマグフリ氏は民主主義や批判意見への締め付けを開始し、汚職を許容しない姿勢への熱狂はすぐに冷めていった。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まると、マグフリ氏は国内の感染拡大の深刻さを否定。国民に「祈りでコロナを撃退」するよう呼び掛け、「悪魔のウイルスはイエス・キリストの体内では生きることができない」との見方を示していた。