スエズ運河の座礁、五輪プール最大8杯分の砂の除去必要

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海上交通の要衝、スエズ運河をふさぐ大型コンテナ船の離礁作業が進められている/© Cnes 2021, Distribution Airbus DS

海上交通の要衝、スエズ運河をふさぐ大型コンテナ船の離礁作業が進められている/© Cnes 2021, Distribution Airbus DS

(CNN) 世界の海上交通の要衝、エジプトのスエズ運河で大型のコンテナ船が座礁して運河をふさぎ、船舶が通行できなくなっている問題で、運河当局はコンテナ船を離礁させるのに最大で2万立方メートルの砂を除去する必要があると明らかにした。

当該の船舶はパナマ船籍の大型コンテナ船「エバーギブン」(全長400メートル、幅59メートル、22万4000トン)で、現地時間の23日午前7時40分ごろ、地中海へ向けて運河を北上する途中、強風と砂嵐のために視界が悪化して座礁した。オランダのロッテルダムへ向かう途中だったという。

現場ではエバーギブンの離礁に向けた懸命な作業が行われている。浚渫(しゅんせつ)船2隻とタグボート9隻を使用しているほか、河岸では掘削機4台が稼働している。

運河当局が25日に発表したところによると、これらの浚渫船は1万5000~2万立方メートルの泥や砂を除去し、12~16メートルの深さを確保する必要がある。そうすれば船を離礁させることができる。オリンピックで使用する競泳プールの約8杯分の砂を除去する計算だ。

船首部分の砂を除去する掘削用重機/Picture-alliance/DPA/AP
船首部分の砂を除去する掘削用重機/Picture-alliance/DPA/AP

エバーギブンの船舶管理会社は声明で、すでに作業中の浚渫船に加え、特殊なポンプ浚渫船1隻も現場に到着し、間もなく作業を開始すると説明した。この浚渫船は1時間に2000立方メートルの砂や泥を除去できるという。

運河当局の関係者は24日、CNNの取材に対し、大型コンテナ船を再浮上させることは「技術的に非常に困難」で、数日かかる可能性があると述べた。

エバーギブンを運航する長栄海運によると、日本やオランダのサルベージ会社に所属する経験豊かな専門チームも支援に加わることになっている。

ただ航路再開まで日数がかかれば、貿易を止められる企業や国がその分損失を被ることになる。スエズ運河は世界の貿易量の12%が通過するとされ、1日に扱う貨物の総額は約100億ドル(約1兆1000億円)に上るという。

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