アストラゼネカ製ワクチン、英国で子どもへの治験を一時停止
ロンドン(CNN) 英オックスフォード大学はアストラゼネカと共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、英国で進めていた子どもへの臨床試験(治験)を停止する方針を示した。同大学の報道担当者が6日、CNNに語った。
成人が接種後に血栓症を起こした複数の症例について、英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が調査する間の一時的な措置。子どもを対象とした治験自体に安全性への懸念が生じたわけではないという。
MHRAは先週、英国内で3月21日までにアストラゼネカ製ワクチンの接種を少なくとも1回受けた計1580万人の中で、接種後に血小板の減少を伴うまれな血栓症が起きた例が少なくとも30件報告されたと発表。ワクチンと因果関係があるかどうかはまだ不明としていた。
発表によれば、このうち22件は脳静脈洞血栓症(CVST)という極めてまれな症例。これらの血栓症が通常どのくらいの頻度で起きると予想されるのか、MHRAは明言していない。
MHRAはワクチン接種のベネフィット(利益)がリスクをはるかに上回るとの見解を示し、英当局に接種を継続するよう勧告していた。
MHRAのレイン長官は6日、CNNとのインタビューで、オックスフォード大学が停止措置を取ったことは認識していると述べ、子どもへの治験で安全性への懸念は報告されていないと強調した。
アストラゼネカ製ワクチンが広く使われている欧州では、血栓の症例が報告されていることを受け、すでに一部の国が接種を停止したり、対象の年齢層を限定したりしている。