インド近隣国も感染拡大、国境封鎖や渡航禁止相次ぐ 変異株に警戒
インドはパキスタン、ネパール、ミャンマー、ブータン、バングラデシュと国境を接している。そうした国境の中には住民が毎日のように往来している場所もある。
国境を封鎖して規制をかけても、既に複数の国で症例数が急増に転じた。
インドの変異ウイルスが見つかったネパールは、2月には新規の症例数が減少して1日50~100例前後にとどまっていが、インドで第2波が加速した4月半ばから感染者数が急増し、今では1日の症例数が数千例に上る。
感染の拡大を食い止めるため、ネパール政府は多数の都市で29日から15日間のロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。
しかし病院は既にひっ迫しつつある。感染が拡大しているインドとの国境の町ネパールガンジでは病院が満床になり、酸素の供給も減りつつある。首都カトマンズにある感染症専門病院の医師は「病院が満床になっている。次の波の始まりだ」と警戒をあらわにした。
バングラデシュも3月から症例数が急増し、4月初旬にはこれまでの波を上回るピークに達した。当局が厳格なロックダウンや空の便の運航停止などの措置を講じる中、症例数はその後減少に転じている。
同国は26日からインドとの国境の2週間封鎖に踏み切った。ただし貿易は継続する。