インド近隣国も感染拡大、国境封鎖や渡航禁止相次ぐ 変異株に警戒
ニューデリー(CNN) インドで新型コロナウイルスの第2波が猛威を振るう中、近隣の南アジア諸国でも症例数が急増し、各国が国境の封鎖や渡航禁止に踏み切っている。
インドで新規に報告される症例数は3日ごとに約100万例に上り、保健省の統計によると、1日の死者は28日に3293人を超えた。
同国の医療は崩壊に近い状況にある。病院のベッドに空きがなく、患者は自宅や救急車の中、診療所前で死亡している。たとえ入院できたとしても、病院の酸素は底を突き、患者の家族が自前の酸素持ち込みを要請されている。
インド・スリナガルで新型コロナウイルス感染症の隔離センターを立ち上げベッドを準備=27日/IDRESS ABBAS/SOPA IMAGES/SIPA USA
グジャラート州スラトの医療関係者によれば、同地では毎日150人近くが入院を断られているという。
近隣国も警戒を強めている。インドで3月末に確認された新しい変異ウイルスは、これまでにイタリア、スイス、英国を含む世界各国で発見された。
インドの変異ウイルスについてはまだ専門家がゲノム解析を行っている段階で、公式なデータは公表されておらず、感染力の強さや危険性などについて詳しいことは分かっていない。
しかしインドで第2波の感染が拡大するスピードや重症度を目の当たりにして、各国が渡航禁止やインドからの便の運航停止などの措置を講じた。