ナバリヌイ氏がビデオで出廷、ハンスト後初めて公の場に 自身を「骸骨」と語る
モスクワ(CNN) ロシアで収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏は29日、モスクワで行われた自身の裁判にビデオ通話で出廷した。数週間に及んだハンガーストライキ以降、同氏が公の場に姿を見せるのは初めて。
目に見えてやせ細ったナバリヌイ氏は、名誉毀損(きそん)に問われている裁判の席でプーチン大統領とその政権を痛烈に非難。同大統領を童話の「裸の王様」に登場する王様になぞらえて揶揄(やゆ)したほか、裁判官や検察を「裏切り者」と批判した。
ナバリヌイ氏は2月、別の犯罪に関連した仮釈放の条件に違反した罪で収監された。条件を守らなかったとされた当時、ドイツに滞在中だった同氏は化学神経剤「ノビチョク」による体調不良からの回復途上にあった。同氏はロシア政府が自分の命を狙っていたと主張するが、政府側はこれを再三否定している。
ナバリヌイ氏は「適切な医療」と外部の医師による診察を求め、3月31日から刑務所内でのハンガーストライキを実施したが、先週になり最終的に治療を受けられたとして中止していた。
ナバリヌイ氏は実際に裁判に出席した妻のユリア・ナバリヌヤ氏に対し、自身の現在の体重や直近で何を食べたかを詳しく語った。
公判で「身ぎれい」に見えるよう、入浴施設に連れていかれたとも明かした。
「自分の姿を眺めた。恐ろしい骸骨(がいこつ)そのものだ。体重を計ると72キロだったが、たぶん中学1年生のときと同じくらいだろう」(ナバリヌイ氏)