WHO、中国シノバック製ワクチンの緊急使用を承認
(CNN) 世界保健機関(WHO)は1日、中国の製薬企業シノバック製の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認した。
WHOの承認を受けたワクチンは8件目で、中国製ではシノファーム製に続く2件目。緊急使用リストに入ったワクチンは、ワクチン分配の国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」に使うことができる。
WHOのテドロス事務局長は1日の記者会見で、シノバック製ワクチンは「安全、有効で品質も保証されることが分かった」と述べた。
WHOの専門家諮問委員会SAGEは、19歳以上を対象に2~4週間隔で2回接種することを推奨している。
シノバック製は不活化ワクチンで、超低温で保存する必要がない。WHOによると、これまでの研究で発症を抑える効果は50%あまり、重症化や入院を防ぐ効果は100%と報告されている。
COVAX向けのワクチンは現在、深刻な供給不足に陥っている。背景としては、インドが国内の感染拡大を受けてアストラゼネカ製ワクチンの輸出を停止したことや、欧米諸国による買い占めが挙げられる。
ユニセフ(国連児童基金)の報告によると、先月17日までにCOVAXを通して125カ国・地域に提供されたワクチンは7100万回分と、当初予定の1億7000万回分を大きく下回った。
中国はCOVAXに1000万回分を供給すると表明している。1日にはシノファーム製の第1弾の生産が完了したと発表した。