中国でのマラリア撲滅、公式に認定 WHO
(CNN) 世界保健機関(WHO)は4日までに、中国でマラリアが撲滅されたと公式に認定した。西太平洋地域諸国でのマラリア根絶の宣言は過去30年以上では初めてとなった。
中国は2020年、国内で発生したマラリア感染者が4年連続でゼロになったことを踏まえ、WHOに撲滅の認知を求めていた。
WHOによると、マラリア撲滅は世界の40カ国・地域で認められている。西太平洋地域諸国では、オーストラリア、シンガポールとブルネイが含まれる。
中国では1940年代、深刻なマラリア禍に襲われ、毎年約3000万人の症例が報告されていた。50年代に予防薬を使い、蚊の発生場所を減らすなどの対策を本格的に開始。
その後は新たな予防薬の開発成功や殺虫処理済みの蚊帳などの対策が整備され、90年末までには感染者が年間11万7000人に減少。2000年代初期にはマラリア対策基金から資金援助が追加されて、訓練、医薬品や研究所装備品などを強化。10年間で感染者数が年間5000人に落ち込んでいた。
WHOは中国でのマラリア撲滅を認めたものの、流行がまたぶり返す可能性もあると警告。南部の雲南省は特に国外のマラリア感染者が流入するリスクが高いと警戒している。同省はマラリアの発生率が高いラオス、ミャンマーやベトナムと国境を接している。
さらに、マラリアが慢性的に広がっているアフリカでは中国人移住者や移民労働者らが集まる大きな地域社会が形成されており、マラリアが中国本土に持ち込まれる恐れも生じている。