アフガン南部州の州都が陥落の危機、タリバーンが攻勢
(CNN) アフガニスタン南部の要衝であるヘルマンド州の州都ラシュカルガをめぐるアフガン軍と反政府勢力タリバーンとの戦闘が続いている。CNNが接触した地元記者によれば、タリバーンは現在、ラシュカルガの複数の地区を実効支配している。
アフガン軍は7月31日、特殊部隊を配備するなど人員を増強した。タリバーンへの空爆も実行したという。
ラシュカルガは、カンダハル州とヘラート州を結ぶ幹線道路などあらゆる方向をつなぐ戦略的に重要なルートに位置しているほか、南部には重要な農業地域も広がる。タリバーンは長く、ラシュカルガ周辺を含むヘルマンド州で確固たる地位を築いていたが、2001年の政権崩壊以降、ラシュカルガを一部地域でも実効支配したことはなかった。
もし、ラシュカルガがタリバーンの手に落ちれば、34の州都のうちアフガン政府が失う最初の州都となる。一部の州都はすでにタリバーンに包囲されているほか、主要な幹線道路の一部もタリバーンの支配下にある。
タリバーンはラシュカルガの第7地区で行われた空爆で市民が死亡したと非難した。タリバーンの報道官はツイッターで、多くの家屋が破壊され、人々は多大な財政的被害を被ったと述べた。こうしたタリバーンの主張を確認する方法はない。
ラシュカルガの記者は1日、CNNに対して、第1地区と第7地区で衝突が続いており、タリバーンが第9地区を支配下におさめたと述べた。同記者によれば、政府軍が支配下に置いているのは今では1地区のみだという。
北西部のヘラート州でも激しい戦闘が行われている。国防省は1日、ツイッターで、数百人の特殊部隊がヘラート州に到着したと述べた。ヘラート州でタリバーンに対する攻勢を強め、治安状況は近く改善するとしている。
内務省もヘラートの厳しい状況を認めるように、内務次官が警察特殊部隊を引き連れて同地に到着したと発表した。地元記者は1日、空港付近のゴアザラ地区の大半やその東郊の地区をタリバーンが支配していると伝えた。空港自体はまだ政府の管理下にある。