アフガン民間人の死傷者、今年上半期は過去最多に 米軍撤収で急増
(CNN) 国連は26日、アフガニスタンで2021年上半期に死傷した民間人が過去最多の水準に達したと発表した。特に米軍と有志連合軍が撤収を開始した5月以降、死傷者が目に見えて急増している。
国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)の報告書によると、今年1~6月に確認された死傷者は5183人に上り、前年同期より47%増えた。
死傷者は5月と6月の2カ月だけで2392人に達し、4月までの4カ月間の累計2791人とほぼ同じ水準だった。
UNAMAは、早急に対策を講じない限り、2021年はアフガニスタンの民間人の死傷者が最も多い年になるだろうと予想する。
女性と子どもの死傷者はこれまでで最も多く、死傷者のうち子どもは約32%、女性は約14%を占めた。合計すると死者は687人、負傷者は1722人に上った。
今回初めて、国際的な軍事行動を原因とする死傷者は報告されなかった。同国の戦闘は「アフガン人対アフガン人の戦い」の様相になっていると報告書は指摘する。
UNAMAのデボラ・ライオンズ事務総長特別代表は、「タリバーンとアフガニスタンの指導者が、この紛争が残した残忍で冷酷な軌跡と、民間人に対する壊滅的な影響に目を向けることを望む」と述べ、「暴力の拡大を食い止めなければ、今年は前例のない数の民間人が死傷する」と危機感を示した。
国営テレビ局RTAによると、アフガン治安国防部隊の報道官は26日の記者会見で、民間人の死傷者に関する同報告書の内容を否定した。タリバーンの報道官も同日発表した声明で、UNAMAの報告内容を否定した。