タリバンの退去命令に住民らが抗議デモ アフガン南部の住宅地
(CNN) アフガニスタン南部カンダハル郊外にある政府所有の住宅地で、イスラム主義勢力タリバン政権から3日以内の退去を命じられたとして、住民らが14日、抗議デモを展開した。
デモには数百人が参加した。参加者2人がCNNと契約する地元ジャーナリストに電話で語ったところによると、退去命令の理由は告げられなかった。
1人の女性は匿名を条件に、「どこにも行くところがない」と訴えた。紛争で家族を何人も失い、貧しい生活を送っているという。この女性によれば、住民の多くはなけなしの金でここに家を建てた家族で、引越す余裕がない。当該の住宅地には3500人が住んでいる。
目撃者らの話によれば、デモでアフガンの国旗を掲げた女性数人がタリバンによる嫌がらせを受けた。
現地の活動家によると、この地区はもともと政府の所有地だった。前政権下で政府職員らに土地が分配されたが、この手続きをめぐり不正や汚職があったとみられる。20年以上前からここに住んでいる家族もいるという。
地元メディアは、デモを取材していた地元ジャーナリストがタリバンに制止され、暴力を受けたとの情報を伝えている。
タリバンに対する抗議デモはアフガン各地で発生し、タリバン側が締め付けを強めている。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報道官が10日、ジュネーブでの会見で語ったところによると、デモの弾圧には実弾やこん棒、むちなどが使われ、これまでに少なくとも4人が死亡した。