カナリア諸島の火山噴火、溶岩流が大西洋に迫る 爆発や有毒ガスに警戒
(CNN) スペイン領カナリア諸島のラパルマ島にあるクンブレビエハ火山の噴火は27日、島の沿岸部に溶岩流が迫った。大西洋に流れ込めば爆発が起き、有毒ガスが発生する恐れがあるとして、当局が住民らに厳重な警戒を呼び掛けた。
カナリア諸島の緊急対策当局は27日午前、溶岩流が数時間以内に海岸の町まで到達すると警告。周辺の住民らには有毒ガスの発生に備え、翌朝まで家のドアや窓を閉めて屋内にとどまるよう呼び掛けた。
溶岩流は27日朝、島の南西部で数日前に住民が避難したトドケ村を通過。海岸からわずか1.6キロの地点まで迫った。
当局はまた、火山から半径5キロ以内の住民らに対し、新たな爆発的噴火が起きる恐れがあるとの警告を発した。
カナリア諸島の主要な航空会社、ビンター・カナリアは同日、ラパルマ島への便は引き続き欠航すると発表した。ほかの航空会社の便もすべて停止している。
火山は19日に噴火した。すでに6000人近い住民が避難し、家屋数百棟が破壊された。欧州連合(EU)の地球観測衛星によると、これまでに230ヘクタールあまりの土地が溶岩に飲み込まれた。
死者や重傷者は報告されていないが、島の主要産物であるバナナの農園は壊滅的な被害を受け、数千人が失業の危機に直面している。