台湾への全面侵攻能力、中国が25年までに持つ可能性 台湾国防部長が言及
(CNN) 台湾の邱国正国防部長(国防相)は6日、中国が2025年までに台湾に「全面的な」侵攻を仕掛ける能力を有しうるとの見解を示した。最近、台湾の防空識別圏(ADIZ)には記録的な中国軍機が飛来している。
邱氏は記者団に対し「台湾に攻撃を仕掛ける点では、中国には既にその能力がある。ただ、代償を払う必要がある」と述べた上で、25年までにはその代償が小さくなり、中国は全面的な侵攻を仕掛けることができるようになるだろうとの予測を示した。
今月1日以降、中国は戦闘機や核搭載可能な爆撃機を含む150機の軍用機を台湾のADIZに飛ばしている。
台湾中央通信(CNA)によると、邱氏は同日の議会での会合で、台湾海峡間の軍事的緊張は過去40年以上で「最も深刻」だと説明。中国の台湾海峡をめぐる対介入、封鎖能力は25年までに成熟するとの報告書を提出した。
議会はミサイルや軍艦を含む台湾製武器への86億ドル(約9600億円)相当の防衛予算を検討している。
邱氏は会合後に記者団に、台湾側は中国軍機の飛来に対して、攻撃を挑発するような動きを一切していないと言及。「軍事的な備えを進める。我々の軍隊は戦う必要があれば前線に立つという姿勢で臨んでいる」と語った。