10カ国大使を「好ましからざる人物」に、エルドアン大統領が指示 トルコ
(CNN) トルコのエルドアン大統領は25日までに、米仏独など10カ国の駐トルコ大使について、「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として指定するよう指示したことを明らかにした。これらの大使はトルコの実業家で慈善家のオスマン・カバラ氏の解放を呼び掛けていた。
エルドアン大統領は演説の中で、外相に必要な指示を出したと述べ、10人の大使について可能な限り早急にペルソナ・ノン・グラータに指定するよう求めたことを明らかにした。エルドアン大統領は、大使がトルコについて理解できないのならば、トルコを離れるべきだとも述べた。
もしトルコの外務省が指示を受ければ、それ以上の承認がなくても処理を進めることができる。そうなった場合、大使の国外追放につながる。
トルコは先ごろ、4年間にわたって拘束されているカバラ氏を解放するよう求めた共同声明を受けて、米国をはじめ、ドイツ、フランス、カナダ、デンマーク、オランダ、フィンランド、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデンの大使を呼び出していた。
共同声明では、カバラ氏の裁判の遅延が、民主主義の尊重や法の支配、トルコの司法制度の透明性に対して「影を落とす」などと指摘していた。
トルコ外務省は、カバラ氏をめぐる共同声明を「無責任」と呼び、裁判制度に影響を与えようとする試みを拒否した。
カバラ氏は2017年から、有罪判決を受けずに拘束され続けている。カバラ氏は昨年、13年に起きた抗議デモに関連した罪状については無罪判決を受けたが、その後この判決は覆された。カバラ氏はまた、16年のクーデター未遂に関与したとして新たに訴追された。