イタリア火山島の住民に避難命令、CO2濃度が上昇
(CNN) イタリア南部の火山島ブルカーノ島で二酸化炭素(CO2)の濃度が上昇して住民やペットが呼吸器系の症状を発症し、住民250人の大部分に避難指示が出された。
ブルカーノ島はシチリア島北方沖のエオリア諸島にある火山島。イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)によると、同島周辺の二酸化炭素濃度が上昇し、実質的に大気中の酸素量が減少した。
二酸化炭素濃度は10月21日から目に見えて上昇し、住民からペットの呼吸困難や健康問題を訴える声が出始めた。ペットは人間よりも前に酸素濃度低下の影響を受けることがある。
エオリア諸島の主要7島を管轄するリパリ市の市長は、港湾地区からの避難を命じ、調査や市民保護以外の目的での立ち入りを禁止する「レッドゾーン」を指定する条例に署名した。
「イエローゾーン」に指定された地域には住民が残ることを認めるが、住宅の上の階にとどまることを条件とする。
住民以外の旅行者や観光客は1カ月間、入島を禁止する。
市長は21日、フェイスブックへの投稿で、避難命令は差し迫った噴火の恐れがあるためではなく、二酸化炭素の放出量が増えているためだと説明した。
この1カ月間の観測では、二酸化炭素の放出量が人体に危険を及ぼし得るレベルにまで増加していると指摘、特に夜間の睡眠中は危険が大きいとしている。
ブルカーノ島の名は火の神「ブルカン」に由来する。INGVによると、前回の噴火は1890年3月22日だった。