イスラエルや独、新型コロナワクチン4回目接種の動き 米は「時期尚早」
(CNN) 新型コロナウイルスの感染拡大が世界規模で改めて進み、新たな変異株「オミクロン株」も猛威を振るうなかで感染しやすい人々を対象にした4回目のワクチン接種へ動く国が出始めてきた。
イスラエル首相府は先週、60歳以上の住民、医療従事者や免疫系が抑制された状態にある人々を念頭に、3回目の接種から少なくとも4カ月経過した場合、4回目の投与を受けさせる計画を発表。
ドイツのカール・ラウターバッハ保健相は23日、オミクロン株に対する防御力を維持するため4回目の接種が必要になるだろうとの判断を示した。ただ、ドイツでは4回目の投与に関する計画の作成はまだ始まっていない。
一方、米国内では4回目の接種の可能性を議論することは時期尚早との見方がある。ファウチ米大統領首席医療顧問(米国立アレルギー感染症研究所長)は米WCBS放送の取材に、「我々が非常に注意深く追究しようとしているのはmRNAワクチンの3回目の接種による予防力の耐久性の見極め」と指摘。
その耐久性が計2回の接種のものよりはるかに長く持てば、4回目の接種なしに相当な時間をしのげる可能性があるとした。mRNAワクチンは米ファイザーと独ビオンテック、米モデルナ社が製造している。
米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長もCNNの最近の取材に、3回目の接種で得られた予防効果は長持ちしているようにみられると分析していた。
一部の製薬企業も4回目の接種については米国内で必要となる可能性の検討やその時期の見極めにはより多くの時間を要すると認めている。3回目の接種の有効性がどれほど速く衰えるのかの分析にも時間がかかるとしている。
CDCは4回目の接種を一般国民に推奨していないものの、今年10月には新型コロナウイルスワクチンの使用に関する指針を改訂し、中程度から重度の免疫不全の症状を抱える人は4度目の接種を受けることになるかもしれないと説明していた。使うワクチンはモデルナ、ファイザーとビオンテックの製品としていた。