オーストラリア、コアラ保護に4年で40億円支出 過去最大規模

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オーストラリアが過去最大規模の資金を投じてコアラの保護に乗り出す/Lisa Maree Williams/Getty Images

オーストラリアが過去最大規模の資金を投じてコアラの保護に乗り出す/Lisa Maree Williams/Getty Images

(CNN) オーストラリア政府が向こう4年間で過去最高額となる5000万豪ドル(約40億円)を支出し、コアラの保護と生息数の回復に取り組む方針を示した。モリソン首相のオフィスが29日に明らかにした。

モリソン氏は声明で「コアラはオーストラリアで最も愛され、かつ最高の認知度を誇る象徴の一つ。国内はもとより、世界各地においてもそのような存在だ。だから我々は全力を挙げてその保護に取り組む。来るべき次世代のために」と述べた。

同氏によると上記の資金は「コアラの生息地の回復やその個体群に関する理解の向上、コアラの治療や世話のための技術を習得する支援、コアラの医療効果に対する研究の強化」などに使用される。

今回の新たな支出を合わせると、オーストラリア政府は2019年以降コアラ保護に7400万豪ドルを投資する計算になる。

豪コアラ基金が21年9月に明らかにしたところによると、同国のコアラは18年以降約30%減少。山火事や干ばつ、開発のための森林伐採が原因だという。19年に発生した壊滅的な山火事では、ニューサウスウェールズ州だけで4万8000平方キロが破壊され、コアラの個体群の深刻な減少につながった。

これに加えて性病のクラミジア感染症の蔓延(まんえん)も、コアラの生存を脅かしている。感染すると失明したり、生殖器官に痛みを伴う嚢胞(のうほう)ができる可能性があり、不妊や死につながる恐れもある。

研究者らは現在ワクチンの開発や、遺伝的にクラミジアに強い個体群に関する調査を行っている。

絶滅の危機にある世界の野生生物をリストアップした国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、コアラは「危急」に分類されている。IUCNによると野生の個体数は10万~50万頭だが、豪コアラ基金は約5万8000頭だとしている。

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