コンゴ軍事法廷、国連専門家殺害で49人に死刑判決
(CNN) アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)で2017年に国連の専門家2人が殺害された事件に関連して、軍事法廷で49人が死刑判決を受け、将校1人が禁錮10年を言い渡された、人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が明らかにした。
軍事法廷によると、被告人の1人は「共謀、反乱運動への参加、テロ、殺人の戦争犯罪」の罪で死刑を言い渡された。
しかしHRWは29日の判決について、軍事法廷やコンゴ政府が「国家の責任を監督する指揮系統の上層部」に対する捜査を怠ったと批判、「答えよりも疑問の方が多く残る」と指摘した。
HRWはCNNに寄せた電子メールで「法廷は指揮系統上層部の責任には言及せず、国家上層部の関与を指し示す証拠を調べるよりも、民兵にのみ殺人の責任を負わせる筋書きを追求した。当局は政府や治安当局者が殺人に関与した可能性について調査する必要がある」としている。
国連の専門家だったスウェーデンのサイダ・カタラン氏と米国のマイケル・シャープ氏は、カサイ地域の大規模人権侵害について調査していたが、コンゴ政府が17年3月13日、2人は未確認の集団に拉致されたと発表した。
その2週間後、国連平和維持部隊が、カタラン氏とシャープ氏、および現地通訳のベツ・ツシンテラ氏の遺体を発見した。
米国のマイク・ハマー駐コンゴ大使は今回の判決について、「真相究明に向けた重要な一歩」とツイートし、コンゴ政府に対して捜査を続けるよう促した。
スウェーデンのアン・リンデ外相は、判決の内容を調べ、死刑に強く反対する立場から上訴する可能性もあるとツイートしている。