エクアドルの刑務所で暴動、受刑者20人が死亡
(CNN) 南米エクアドルの刑務所内で3日朝、犯罪組織のメンバー同士が衝突して暴動を起こし、受刑者少なくとも20人が死亡した。当局は4日、事態を完全に収拾したと発表した。
現場は同国南部クエンカにある刑務所。国家警察の指揮官が記者会見で語ったところによると、犯罪組織内の主導権をめぐり、収監中のメンバーの間で争いが起きた。死者のうち19人は「暴力行為」で殺害され、残る1人は化学薬品を飲み込んで死亡したという。
CNNスペイン語版は、さらに少なくとも11人が負傷したと伝えた。
当局は遺族に連絡するため、遺体の身元確認を急いでいる。
エクアドルでは昨年9月、定員を大幅に超過した刑務所で自動小銃や手投げ弾を使った衝突が起き、118人が死亡。当局が全国の刑務所に非常事態宣言を出した。刑務当局の集計によると、昨年1年間に刑務所内の暴力で死亡した受刑者は300人を超えた。
同国は南米から米国、アジアへ向かうコカイン密輸の拠点となっていて、縄張りをめぐる犯罪組織の抗争が絶えない。
当局は昨年10月、刑務所のスペースを確保するためとして、受刑者のうち高齢者や女性、障害者らを含む数千人を対象とする恩赦の計画を発表した。