ロシアがウクライナでの戦争を率いる新たな総司令官を指名したのは、ロシア軍の妨げとなっているもう一つの問題、つまり調整不足を改善する狙いもあるとみられる。
「ロシアは南部軍管区司令官を務める将官アレクサンドル・ドゥボルニコフ氏をウクライナでの作戦の総司令官に据えることで、侵攻初期の段階で悩みの種となっていた問題の一つを解決しようと試みているもようだ」とISWは指摘。
「だが、こうした指揮系統の簡素化により指揮面の問題がすべて解決することはなさそうだ。ロシア軍は今後も当面、一貫性ある効率的な指揮統制体制の構築に苦慮しつづける公算が大きい」としている。
とはいえ、東部で戦うウクライナ軍にとって今後数週間は決して楽なものではない。ISWは「(ロシア軍は)それでも前進を遂げ、ウクライナ軍を陥れるか疲弊させるかして、ドネツク、ルハンスク両州を確保できる状況にもっていく可能性が高い」「ただ、ロシアのこれまでの作戦と同様、こうした攻勢が目標達成前にピークを迎える可能性も同じくらいある」と指摘する。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は10日の会見で、ウクライナは激しい戦闘への準備ができていると語った。
「大規模戦闘のための準備はできている」とポドリャク氏は述べ、「特にドンバスでの戦闘に勝たねばならない。そうすればより強力な交渉の立場が得られ、特定の条件を課すことができるようになる。(ウクライナとロシアの)大統領同士が会談するのはその後だ。実現には2週間、あるいは3週間かかるかもしれない」としている。
これが楽観的すぎるシナリオかどうかは、今後数週間で明らかになるだろう。ただ、このシナリオは軍事上の分析だけでなく、交渉の立場のようなものも提示する。プーチン氏はいますぐ協議に臨むか、さもなければ数週間後には立場が著しく弱まっているリスクがあるということだ。
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本稿はCNNのネーサン・ホッジ記者の分析記事です。