英、ロシア人2人の資産1.6兆円を凍結 アブラモビッチ氏に近い人物
(CNN) 英国は、ロシアの大富豪ロマン・アブラモビッチ氏につながる2人の「重要なロシア人オリガルヒ(新興財閥)」に制裁を科し、計130億ドル(約1兆6400億円)の資産を凍結した。英外務省は14日の声明で「英史上最高額となる資産凍結」と発表した。
対象となったのはユージーン・テネンバウム氏とデビッド・ダビドビッチ氏の資産。テネンバウム氏が役員を務めるサッカーイングランド・プレミアリーグに所属する強豪チェルシーによると、同氏はアブラモビッチ氏の側近の一人で、2006年にアブラモビッチ氏が売却したロシアの石油会社シブネフチの幹部だった。英外務省によると、テネンバウム氏はロシアがウクライナに侵攻した2月24日にアブラモビッチ氏と関係のある投資会社を引き継いだという。
英国はアブラモビッチ氏のもう一人の「長年の」仕事仲間であるダビドビッチ氏にも渡航禁止を科した。
「ダビドビッチ氏はフォーブス誌に『アブラモビッチのかなり目立たない右腕』と評され、今年3月にテネンバウム氏から投資会社のエブリントン・インベストメンツを引き継いだ」と説明している。
英政府によると、今回の制裁は英王室属領ジャージー島の当局と連携したもの。CNNは今週初め、アブラモビッチ氏との「つながりが疑われる」70億ドル以上の資産がジャージー島当局によって凍結されたと報じた。
トラス英外相は声明で「我々はプーチン氏の戦争マシンの歯止め装置を締め、クレムリンに最も近い人々をターゲットにしている。プーチン氏がウクライナで失敗するまで、我々は制裁を続ける。あらゆるもの、人が対象となる」と述べた。