英国で「サル痘」感染者を1人確認 一般市民へのリスクは「非常に低い」
(CNN) 英国の健康安全保障庁(UKHSA)は7日、英南部イングランドで患者1人がまれなウイルス感染症である「サル痘」と診断されたことを明らかにした。
UKHSAによると、サル痘は感染者との濃厚接触でうつることもあるが、ヒトからヒトには感染しにくく、一般市民へのリスクは「非常に低い」と考えられる。
患者はナイジェリアで感染した後、英国へ移動したとみられる。現在はロンドン市内の病院に設けられた感染症専門の隔離病棟で治療中。UKHSAは念のため、患者と濃厚接触した可能性のある相手に連絡を取り、情報と助言を提供するとしている。
UKHSAによれば、サル痘ウイルスに感染すると発熱や頭痛、筋肉痛、腰痛、悪寒、倦怠(けんたい)感などの症状が表れる。1979年に根絶された天然痘と同じ系統だが、感染力や致死率は天然痘より低い。目立った違いとして、天然痘ではリンパ節の腫れがみられないのに対し、サル痘では腫れることが挙げられる。
ペットを含むネズミ、リスなどのげっ歯類やサルからヒトにうつることがある。米疾病対策センター(CDC)は昨年、テキサス州ダラスへの旅行者1人の症例を調査した。
2003年には、ガーナからペットとして輸入された小動物を発端に、米国内で47人が感染した。英国でも18年に小規模な流行が起きていた。