スリランカで衝突激化、首相は辞任し公邸脱出
(CNN) 経済危機が深刻化するスリランカで反政府派のデモ隊と政府支持派の衝突が激化し、マヒンダ・ラジャパクサ首相(76)が辞任に追い込まれた。最大都市コロンボの首相公邸には10日未明、軍が出動してマヒンダ氏を救出した。
治安当局の高官がCNNに語ったところによると、デモ隊が2回にわたって公邸を襲撃しようとしたことを受け、軍が出動した。デモ隊は敷地内に入って火炎瓶を投げ始めたが、軍が催涙ガスを発射し、建物への侵入を阻止した。
同高官によると、現場では催涙ガス銃が爆発して警官1人が死亡した。マヒンダ氏と家族は非公開の場所へ移動したという。
コロンボ市内では9日、反政府派と政府支持派の間で激しい衝突が起き、警察によると少なくとも8人が死亡した。地元保健当局は217人の負傷者が出たと発表した。
コロンボ市内の公園など数カ所で、政府支持派が反政府デモの参加者らを棒で打ったリ、テントを壊して火を付けたりする場面が、テレビの生放送で流れた。
この公園では数週間前から、物価の高騰や電力不足など経済危機への政府の対応に抗議するデモが続いていた。
現場のビデオには、警察が催涙ガスや放水銃でデモ隊を解散させようとする場面が映っている。CNN取材班は、軍が出動して衝突の鎮圧を図ったと伝えた。
警察は、地方当局者らがマヒンダ氏と会談するためにバスでコロンボに向かう途中、反政府派の襲撃を受けたと非難した。