スリランカで衝突激化、首相は辞任し公邸脱出
衝突現場の生放送の後、政府が全国に外出禁止令を出し、まもなくマヒンダ氏が辞任を表明した。
マヒンダ氏は「危機を解決する最良の道は、暫定的な挙国一致政権を樹立すること」と述べたが、同氏の辞任で事態が収拾に向かうかどうかは不透明だ。
デモ参加者の多くは最終的にマヒンダ氏の弟、ゴダバヤ・ラジャパクサ大統領も退陣させることを目指しているが、ゴダバヤ氏は応じる気配がない。
ゴダバヤ氏はツイッターへの投稿で暴力を「強く非難」し、「所属政党にかかわらず」平静を保つよう呼び掛けた。
一方、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は10日、政府支持派による暴力が事態をエスカレートさせていると指摘し、政府と治安部隊に対して「平和的な抗議活動の権利」を尊重するよう呼び掛けた。
欧州連合(EU)も同日、「コロンボでの平和的なデモ隊に対する悪質な攻撃を非難する」との声明を出した。
スリランカの政界は過去20年あまり、ラジャパクサ一族に支配されてきた。だが最近の経済危機で、閣僚の地位にあった一族のメンバーら数人が辞任に追い込まれている。マヒンダ氏の辞任により、政権に残るのはゴダバヤ氏だけになった。