ロシア船、クリミア半島でウクライナの穀物を積み込みか 衛星画像
船がウクライナで盗まれた穀物を積載しているのかどうか確認するのは難しいが、ロシアに併合されたクリミア半島はすぐ北のヘルソン、ザポリージャ両州とは異なり、ほとんど穀物を産出しない。ウクライナ当局者や業界関係者はCNNに対し、ロシア軍が占領地域で複数のサイロから穀物を奪い、トラックで南方に運んだと指摘している。
マトロス・ポジニッチは今月前半にも同様のミッションを実施し、穀物を積み込んで黒海から地中海に抜けていた。同船は当初エジプトに向かったものの、ウクライナ当局の警告の結果、アレクサンドリアで入港を拒否された。ベイルートでも入港を禁じられ、最終的にはシリアのラタキアに停泊した。
これと同時に、ロシアはウクライナの港湾を封鎖して輸出を阻止しており、世界的な食料危機への懸念に拍車がかかっている。
米国務省によると、戦争前、ロシアとウクライナからの小麦供給は世界の小麦貿易量の3割近くを占めていたほか、ウクライナは世界4位のトウモロコシ輸出国、世界5位の小麦輸出国でもある。世界の食糧難対策を支援する国連世界食糧計画(WFP)は毎年、小麦の約半分をウクライナから購入しており、ウクライナの港湾が再開しなければ深刻な結果になると警告している。
ロシア国営タス通信などによると、ペスコフ大統領報道官は以前、ロシアがウクライナから穀物を盗んでいるとの主張を「偽ニュース」と呼んでいた。