ロシアが占領地で強奪の穀物は約60万トン、ウクライナ農業団体
(CNN) ウクライナの農業関連団体は11日までに、ロシアがウクライナで収奪し、中東諸国へ移送された穀物は約60万トンに達すると非難する声明を発表した。
同団体幹部によると、ロシアによるこの略奪行為はウクライナ南部の占領地で起き、ロシアが一方的に併合していたウクライナ・クリミア半島のセバストポリ港にいったん集められ、その後中東へ運ばれたとした。
国際的な裁判所を通じてロシアにこれら穀物強奪の被害者への賠償金支払いを要求するための刑事捜査が始まったともした。窃取は「占領者たちによって周到に計画されていた」とも主張した。
CNNは以前、ウクライナ南部の農場や貯蔵庫で穀物を積んだトラックの車列がクリミア半島へ向かっていたと報道。ウクライナ当局は先月、ロシア軍が占領地で盗んだ穀物は40万トン以上とも推定していた。
ロシアによる穀物収奪については衛星映像などを手がける米企業「マクサー・テクノロジーズ」が先月下旬、これら穀物を積んだロシアの貨物船が、中東シリアの港湾都市ラタキアに2度目の入港をした際の衛星画像を公開してもいた。
撮影は今年5月27日とし、ラタキアに寄港した船舶は、ウクライナ侵攻以降、セバストポリ港に立ち寄った3隻の1隻とした。
同船は穀物約3万トンを積んでいると想定していた。同様の業務に就いているとみられる1隻もこれより前に積み荷を降ろしたという。