ロシア、残骸下の遺体無視し多数の高層アパート解体 マリウポリ
(CNN) ロシア軍が占領するウクライナ南東部マリウポリのボイチェンコ市長は10日、ロシア軍ががれきの下に埋もれている数百人規模の住民らの遺体に留意することなどなく、市内で1300棟もの高層アパートを取り壊したと報告した。
市外へ退避している市長はSNS「テレグラム」上で、マリウポリに残る市民らの証言として、ロシア側は当初、残骸を処理する際、住民を関与させていたと説明。だが、がれきの下で見つかる遺体の数を知ると、市民を現場から即座に排除するようになったという。
取り壊されたほぼ全ての住宅棟の下には50~100人の住民の遺体があるとも主張。ビルの解体などは無差別に進められたため、戦闘に巻き込まれて死亡した住民の遺体はコンクリート片のがれきと共に処理場へ運ばれたともした。
ボイチェンコ市長の顧問は先月25日、CNNの取材に、市政当局者の見方として侵攻が起きた3カ月間で殺された市民は少なくとも2万2000人と明かしていた。
同市長は10日、実際の人数は市側が報告したよりかなり多い可能性があると述べた。ウクライナ大統領府は数万人規模とみている。