東部セベロドネツクで戦闘続く、「ロシア軍が大半を支配」と州知事
(CNN) ウクライナ東部ドンバス地方の要衝、ルハンスク州セベロドネツクでは、11日もロシア軍とウクライナ軍の激しい戦闘が続いた。同州のハイダイ知事はこの日、同市の大半がロシアの支配下に入っていることを認めた。
ハイダイ氏が全国放送を通して語ったところによると、ロシア軍は破壊力の強い燃料気化爆弾を使っている。避難所の建物を砲撃で破壊し、街路の1カ所で撃退されればまた別の住宅地で民家を襲うという繰り返しに、ウクライナ軍は厳しい抗戦を強いられているという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は11日夜の定例オンライン演説で、敵の進軍を食い止めようと戦い続ける現地の部隊をたたえた。ゼレンスキー氏はこれまで、セベロドネツクでの勝敗がドンバス地方の運命を決めるカギになると主張してきた。
ハイダイ氏は11日、セベロドネツクで800人が避難していると伝えられるアゾト化学工場について、現在もウクライナ側が掌握していると主張した。
親ロシア派が独立を宣言した「ルハンスク人民共和国」の指導者、ロディオン・ミロシニク氏は同日、化学工場にはウクライナ軍の兵士ら400人も潜伏し、投降と市民の退避を求めて交渉中だと述べた。ハイダイ氏はこれを「ロシア側が広めているまったくのうそ」と断じた。
一方、ロシアに占領された南東部マリウポリでの被害をめぐり、ウクライナ検事総長事務所は11日、ロシア軍の砲撃で死亡した子どもの数を24人追加した。ロシアの軍事侵攻が始まってからこれまでに確認された未成年の死者は計287人となった。
同事務所によると、ロシアの爆撃で損壊した教育機関は国内で1971カ所に上り、このうち194カ所は全壊状態となった。