ロシアの目標、ウクライナ南部も視野に ラブロフ外相
(CNN) ウクライナに侵攻したロシアの目的は、ウクライナ東部のドンバス地方だけではなく、南部にも及んでいることがわかった。ロシア国営RIAノーボスチ通信が20日、ラブロフ外相の発言を伝えた。
ロシアによるウクライナ侵攻が5カ月目を迎えようとするなか、ラブロフ氏は「地形が異なっている」と述べた。
ラブロフ氏は、「『ドネツク人民共和国(DPR)』や『ルガンスク人民共和国(LPR)』から遠く離れ、ヘルソン州やザポリージャ州、そのほかのいくつかの領土でも、こうしたプロセスは継続している、絶え間なく、持続的に」と語った。
ラブロフ氏の発言は、ロシア政府がウクライナ侵攻の焦点を定めなおしたことを示唆している。
ロシアのプーチン大統領はわずか3カ月前、ウクライナ首都キーウ(キエフ)の攻略に失敗した後、ロシア軍の目標をウクライナ東部に移していた。
ロシア軍はプーチン大統領の指示を受けてウクライナ東部ルハンスク州のウクライナ側の最後の拠点だったリシチャンスクを今月に入り攻略したが、次は隣接するドネツク州が標的になると予想された。
もしドネツク州が陥落すれば、ロシア政府はドンバス地方全体を掌握することになる。ドンバス地方には2014年以降、親ロシア派の武装勢力が存在している。
しかし、最近になり、ウクライナ軍は、米国から供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などでロシア軍の標的を攻撃する能力を向上させており、ロシア政府にとっては新たな問題を引き起こしている。
ラブロフ氏は西側諸国がウクライナに対して、より多くの長距離兵器を供給するなら、ロシアの地理的目標は現在の位置からさらに遠くに動くことになると述べた。
ラブロフ氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領やあるいはその後継者が支配するウクライナの地域に、ロシアやDPR、LPR、あるいは将来独立を望む地域に対して直接的な脅威となる兵器があることは認められないとの考えを示した。