欧州委、天然ガス消費15%削減の計画発表 来春まで継続
(CNN) 欧州委員会は20日、エネルギー主要供給国であるロシアとの緊張が高まる中、懸念される欧州連合(EU)のエネルギー不足に備えて天然ガス使用量を15%削減する計画を公表した。
EUのフォンデアライエン委員長が「安全な冬のための天然ガス節約」計画を発表し、12の加盟国がロシアから一部または全ての天然ガス供給を断たれたことにより打撃を受けたと述べた。
同委員長はロシアの天然ガス供給の全面停止は「あり得るシナリオ」だと警告。また「ロシアは我々を脅迫している。エネルギーを武器として使っている」と非難した。
計画では全加盟国が来月から来年3月まで天然ガス需要を15%削減することを提案している。加盟国は9月までに目標達成方法を示さなければならない。
欧州委員会は声明で「他の燃料への代替や、すべての部門における全体的なエネルギー節約」など、EU加盟国の削減目標達成を支える措置を講じるとしている。
また「冷暖房の使用削減を広範に推進するため」の啓発キャンペーンを開始するよう加盟国に促した。
翌21日にはロシアの国営エネルギー大手ガスプロムによるパイプライン「ノルドストリーム1」を通じた供給再開が予定されているが、当局者からはガスプロムが再開を拒否するのではないかとの懸念が出ている。ノルドストリーム1は定期メンテナンスのため、ここ10日間停止していた。
同パイプラインはロシアの豊富な天然ガスをドイツを経由して欧州に運ぶ重要な動脈だ。年間550億立方メートルの天然ガスを供給しており、ロシアからのパイプライン輸入総量の40%近くを占めている。