ウクライナがカナダ非難、ロシアのガス輸送用タービンの返却
(CNN) ウクライナ政府当局者は16日までに、カナダ政府がロシアと欧州を結ぶ天然ガスのパイプラインに使用されるタービンを修理後、ドイツに引き渡す決定を下したことに深い失望感を表明した。
ウクライナの外務、エネルギー両省は声明で、タービンの返却は制裁をロシアの気まぐれの方向へゆがめることだと批判。
「この危険な前例は法の統治に逆行し、ロシアは罰を受けないという思い込みを強める結果のみにつながる」と主張した。
このタービンはバルト海の海底パイプライン「ノルドストリーム1」の空気圧縮機の一部になっているもので、製造元のドイツ企業シーメンスが修理のためカナダへ送っていた。
ウクライナ政府はタービンの返還はウクライナ侵攻でロシアに科された制裁に相反するものと強調していた。ロシアの国営ガス企業ガスプロムはこのタービンの返品の遅れを理由に、ドイツ向けのガス供給を4割まで減らしてもいた。
両省の声明は、タービン返却は欧州に対するハイブリッド戦争の道具としてエネルギー源を用い続けることをロシアに許すことになるとも説いた。
ノルドストリーム1は保守点検作業を理由に今月11日からガス供給が減少した。欧州諸国ではロシアが作業終了後も供給をしぼませたり、中止したりするとの懸念も強まっている。