ウクライナ、米欧供与の高性能兵器を駆使 戦況占う新たな要因に
(CNN) ウクライナ軍が、欧米諸国が最近供与した高精度の命中率を誇る長距離砲などを駆使し、前線から遠く離れたロシア軍の指揮統制や後方支援の拠点、弾薬の集積場所に打撃を与える新たな戦闘能力を得た可能性が強まってきた。
今後の戦況を占う上でも新たなかつ重要な要因になるとも受け止められている。
ウクライナ東部や南部のドネツク、ルハンスク、ザポリージャやヘルソン各州では最近、ロシア軍の複数の占領地域で大規模な爆発が発生。衛星画像や西側諸国の分析では、標的への攻撃が非常に効果的になっているとした。
ウクライナ軍は過去数カ月、西側の支援国に対し高精度の標的破壊能力を持つ長距離砲やロケット砲システムの譲渡を懇請。これらの兵器を入手した後、実戦に投入し、ウクライナ南部や東部で相当な戦果を上げているともみられる。
ウクライナ軍はこれら兵器の効用について具体的には多くを明らかにしていない。
ただ、ウクライナ内務省高官は13日、「とりわけウクライナが受け取った兵器の威力で過去2週間、兵器や燃料など貯蔵する倉庫を約24カ所で破壊出来た」と述べた。ロシア軍が保持する火力の強度に間違いなく影響を与えるだろうとした。
ウクライナに対しては米国が高機動ロケット砲システム(HIMARS)を提供。米国とカナダはM777型榴弾(りゅうだん)砲、フランスが長距離榴弾砲「カエサル」も送っている。
一方、ロシア外務省は14日、米国はウクライナに対し必要な諜報(ちょうほう)を伝え、教官もひそかに派遣してウクライナ東部ドンバス地方へのHIMARSを使った攻撃などで直接的に支援していると批判。教官は標的への正確な打撃を助けているとも反発した。