著名な民主活動家など4人を処刑 ミャンマー
(CNN) ミャンマー軍事政権が著名な民主活動家など4人に対し、テロ行為に関与したとして死刑を執行したことがわかった。国営メディアが25日伝えた。裁判については、国連や人権団体が非難していた。
処刑された人のなかには、民主化指導者のチョーミンユ氏や国民民主連盟(NLD)の元議員ピョーゼヤートー氏が含まれている。「グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー」は処刑の日付を伝えていない。
ミャンマーでの死刑執行は数十年ぶり。人権団体はさらに死刑が執行されることに懸念を示している。人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、2021年2月に軍がクーデターで実権を掌握して以降、114人に対して死刑が言い渡されている。
ミャンマー軍事政権の報道官が以前、CNNに語ったところによれば、チョーミンユ氏やピョーゼヤートー氏には、爆破攻撃や情報提供者の民間人の殺害といったテロ行為に関与した容疑がかけられていた。今年1月に死刑判決が出され、6月には上訴が棄却されていた。
クーデター以降、民間人の訴訟は軍事法廷で裁かれ、一般には公開されていない。人権団体は秘密裁判について、公正な裁判を受ける機会が否定され、証拠にかかわらず迅速かつほぼ決定的な有罪判決を下すために設置されたものとの見方を示している。
ミャンマーの人権状況に関する国連人権理事会のトム・アンドリュース特別報告者は25日、処刑に「憤慨し打ちのめされている」との声明を発表。グテーレス国連事務総長の報道官も国連は処刑の決定を「深く憂慮する」と述べた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの2021年の報告書によると、ミャンマーでの死刑執行は1988年が最後。その後も死刑判決は多く出ていたが、減刑されるのが通例だったとしている。