ロシア側死傷者7万5000人超、ウクライナ侵攻で 米下院議員
(CNN) 米下院議員らは27日、バイデン政権の当局者から、ウクライナ侵攻開始以降のロシア側の死傷者が7万5000人を超えたとの説明を受けたと明らかにした。ロシア軍は疲労しており、ウクライナ側は冬の到来前に南部で反攻に出ようと追加の支援を望んでいるとも伝えられたという。
下院軍事委員会の委員を務める民主党のエリッサ・スロットキン下院議員(ミシガン州選出)は投入されたロシア陸軍のうち「80%以上が行き詰まり、疲労しているとの説明を受けた」と述べた。ただ「それでも彼らはロシア軍だ」とも付け加えた。
欧米の当局者はウクライナが南部で反攻に出る今後数週間が重要とみている。ウクライナは3月以降ロシア軍の占領下にある南部ヘルソン市の奪還を目指しているとみられる。
スロットキン氏によると、27日の状況説明の際には、米国が今後3~6週間で実施すべきウクライナ支援が主な論点となった。長距離ミサイル「ATACMS」の供与には民主・共和両党から支持が表明されたという。同ミサイルの射程は280キロあまりで、既に供与されている高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」の78キロ超の射程を超えるため、ウクライナ側は数カ月前から提供を要望していた。
ただ、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は先週の国際会議で、ATACMSはロシア領への攻撃に利用可能で、戦争の拡大を招く可能性があり、供与の予定はないと発言した。