ウクライナ人5千人余が退避出来ず立ち往生、ロシア管理の検問所
(CNN) ウクライナ南東部ザポリージャ州にあるロシア管理の検問所でウクライナ人ら5000人以上がウクライナ側へ移動出来ず、立ち往生を強いられている苦境が28日までにわかった。
先へ進むことが出来ない数百台規模の車両が連なっている様子を収めた最近の動画も公開された。ロシアの占領下にある同州メリトポリ市のフェドロフ市長は、1200台を超える車が身動き出来ない状態にあるともした。
同市長は26日、ウクライナのテレビ局に、占領地からの逃避は最大の問題になっているとしながらも、「退避は現段階で不可能な状況にある」と述べた。ザポリージャ州に加え、南部ヘルソン、東部のドネツク、ルハンスク両州の占領地域からの住民はバシリウカの検問所を通じての避難を試みているとし、一部は路上に7日間とどまり、車内での睡眠を強いられているとも報告した。
メリトポリ市を既に離れた同市長は、退去を待っていた5人がここ数日間で死亡したとも説明。ただ、死亡に至る経緯には触れなかった。
同市の現状については、住民は自ら出かけて食料を購入することも出来ないと指摘。食料確保が目的の外出は、旅券や運転免許証をいったん占領当局に預けた場合のみ可能になっているとした。
公開された動画には、夏季の高温に襲われるなかで車両やテント内で就寝し、混雑する給油所の様子などが映っていた。野外で寝ている人々もいた。別の動画は、バシリウカの検問所近くの高速道路の隣接場所で大規模な山火事が起きていることも伝えていた。
フェドロフ市長はロシアはメリトポリの市民を人間の盾として使っていると批判。市内の占領地を通じて大規模な兵器移動も過去3日間実行されたとも証言した。
ウクライナ軍はここに来て同国南部で反攻に転じており、ロシア軍はこれに対抗するため南部の兵力強化を加速しているともされる。