コンゴでエボラの新規症例を確認、再燃に警戒 WHO
(CNN) アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)で22日、エボラ出血熱の新規の症例1例が確認された。世界保健機関(WHO)が23日に発表した。
今回の症例は、同国東部の北キブ州で今月15日に死亡した46歳の女性の検査で確認された。
遺伝子を調べた結果、北キブ州とイトゥリ州で2018年~20年に発生した同国最長・最大級の流行と関係していることが分かった。専門家によると、感染者の中枢神経系や体液の中にウイルスが残り続け、かなり時間がたってから再燃することがあるという。
WHOのマシディソ・モエティ・アフリカ地域事務局長は、コンゴ民主共和国でエボラ再燃の頻度が高まっているとして懸念を示した。一方で、現地の保健当局は過去に何度もそうしてきたように、ウイルスを封じ込めて再燃を食い止められると確信していると述べた。
現地では接触確認やモニタリング調査が続けられており、今週中に200回分のワクチンをこの地域に送って接種を開始する予定。
保健当局は、死亡した女性がワクチンを接種していたかどうか調べている。
女性と接触していた人のうち少なくとも131人は特定された。うち60人は医療従事者で、59人がエボラのワクチン接種を受けていた。
エボラウイルスはコンゴの熱帯雨林の野生生物を宿主として保持され、人に感染すると発熱や体の痛み、下痢などの症状を引き起こす。同国では1976年以来、14回の流行が発生。2018年~20年の流行は同国史上最長で規模は2番目に大きく、計3500例近い症例が確認された。