危機迫る ウクライナ原発で作業員が大量脱出、安全性にリスク

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25日にザポリージャ発電所は史上初めてウクライナの送電網から完全に切り離された/European Union, Copernicus Sentinel-2 imagery/Handout/Reuters

25日にザポリージャ発電所は史上初めてウクライナの送電網から完全に切り離された/European Union, Copernicus Sentinel-2 imagery/Handout/Reuters

「力を失った怒り」

発電所での勤務に危険性が高まっている状況に、残された作業員の精神的なプレッシャーは増している。原発に残るダリアさんによると、自分の部署では10~15%のスタッフが残っているが、日々「力を失った怒り」を感じながら過ごしているという。

ダリアさんは「精神的に既にとてもきつい」「いつ、どのように自分たちが脱出できるのかわからない」と語る。

ダリアさんはまた、原発の技術作業員は事故なく運転を継続するために「不可能なことをこなしている」状況であり、世界は「すべてがどれほど深刻で、どれほど危機に瀕(ひん)しているか全くわかっていない」とも述べた。

「人間の精神状態は事故につながりうる。我々のような発電所では、非難されるべきは設備ではない。重要なのは人間であり、その決断であり、シグナルや違反、損傷に対する対応だ」(ダリアさん)

IAEAは今、同原発の運転の安全性を評価するために、原発の緊急査察を受け入れるようにロシアと交渉している。だがダリアさんは、それが実現しても「何も変わらない」と考えている。

「私の唯一の望みはウクライナ軍だ」とダリアさんは語る。一方で、ロシア軍が来たら何をされるだろうかとの恐怖も抱いている。

「彼らは『お前たちを破壊する』と言うのが好きで、そのための命令も受けている。それが人々が逃げ出している理由だ」

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