危機迫る ウクライナ原発で作業員が大量脱出、安全性にリスク

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国営原発運営企業エネルゴアトムのペトロ・コティン社長/Volodymyr Tarasov/Ukrinform/Future Publishing/Getty Images

国営原発運営企業エネルゴアトムのペトロ・コティン社長/Volodymyr Tarasov/Ukrinform/Future Publishing/Getty Images

「非常に危険」な状況

発電所に残る人員にとって、状況は日に日に悪くなっている。国営原発運営企業エネルゴアトムのペトロ・コティン社長はCNNの取材にそう語った。

コティン氏は「とても難しい状況だ」「かれらは本当にヒーローだ。発電所がこのような状況でも勤務を続けている」と話す。

同氏はまた、ロシア軍が2つのタービン室内部に20台のトラックを入れていると指摘した。最近浮上した映像にはその様子が収められ、CNNも映像を検証済みだ。

コティン氏は「こうしたトラックには爆発物があると考えている。とても危険だ」と言及。消防隊の入り口が封鎖されている状況のため、火災が起きれば近くの原子炉へと燃え広がる可能性があると懸念を示した。

同氏はまた、ロシアがザポリージャ原発からの電力をウクライナの送電網からロシアの送電網へとつなぎ変える試みをするだろうとも語った。ただ、それには原発の完全停止が必要で、原子炉の冷却にディーゼル発電機を使用する形となり、かなり危険な作業になるとの見方を示した。

エネルゴアトムによると、25日には発電所がウクライナの送電網から切り離された。こうした事態は同原発の歴史上初めて。付近で発生した火災により残っている送電線が2度切り離され、「侵略者の行為」が原因だとしている。

一方、ロシア側が任命した州知事は、同州への送電復旧に向けた作業が進んでいると述べた。またウクライナ軍の行動が電力の供給停止につながったと批判した。

国際原子力機関(IAEA)は25日遅く、原発の原子炉全6基がウクライナの送電網から切り離されたままだと発表した。

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