ミャンマー軍事政権、元英国大使を拘束 入国管理法違反の容疑
(CNN) ミャンマー軍事政権は25日、駐ミャンマー英国大使だったビッキー・ボウマン氏が入国管理法違反の罪に問われていると発表した。ボウマン氏はこの前日、夫とともに身柄を拘束されていた。
軍事政権の発表によると、ボウマン氏はビザに記載していた住所が自宅の住所と一致しないとして罪に問われた。入国管理法違反の法定刑は5年以下の禁錮とされている。
ボウマン氏は2002年~06年駐ミャンマー英国大使を務めていた。地元メディアなどの報道によると、ボウマン氏はミャンマー国籍の夫とともに、24日夜に拘束され、ヤンゴン市内の刑務所に収監されている。
英外務省の報道官は25日、ミャンマーでの「英国人女性」逮捕に懸念を表明し、現地の当局に連絡を取るとともに、領事館が支援に当たっていると説明した。
ボウマン氏は大使を務めた後も、非政府組織の創設者としてミャンマーにとどまっていた。
英政府は24日、2021年2月のクーデターで実権を握った軍事政権と関係する企業などに対し、新たな制裁を発表していた。軍事政権の25日の声明は、この制裁には言及していない。
ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官は25日、ボウマン氏の拘束に強い懸念を示し、「元大使と夫が拘束されるとすれば、影響力も、英国のように助けてくれる国もない普通の多くの人たちに何が起きているのか想像もつかない」と指摘。「大勢の人たちが拘束され、今も多数の住宅が焼かれている。村の空爆も続いている」と訴えた。