北朝鮮ミサイルで日本の警報システム作動 米韓も非難
ソウル(CNN) 北朝鮮が4日に発射した弾道ミサイルが5年ぶりに日本上空を通過したことを受け、青森県などを対象に政府の警報システムが作動した。岸田文雄首相は北朝鮮による「暴挙」だと述べ、韓国や米国も非難声明を出した。
韓国軍合同参謀本部によると、同日午前7時23分ごろ、北朝鮮中部の中国国境に近い舞坪里(ムピョンリ)から中距離弾道ミサイルが発射された。ミサイルは日本の東北地方上空を通って20分間、約4600キロ飛んで、日本から約3000キロ離れた太平洋に落下した。最高高度は1000キロと推定される。
北朝鮮のミサイル発射は今年23回目、直近10日間では5回目。
政府は青森県と北海道、東京都の伊豆諸島、小笠原諸島を対象に全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じ、サイレンや防災ラジオ、個人のスマートフォンにメッセージを流した。
住民には建物の中などに避難し、不審物を見つけても近寄らずに警察や消防に連絡するよう指示が出た。
ミサイルの軌道付近で航空機や船舶の被害は報告されていない。
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領はミサイル発射を無謀な挑発行為と非難し、断固たる対応を取ると警告した。
米ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)も報道官を通して、北朝鮮が国連安全保障理事会の決議や国際安全規範を露骨に無視していることを示し、地域の安定を損なう行為だと述べた。
韓国軍の金承謙(キムスンギョム)合同参謀本部議長と在韓米軍のポール・ラカメラ司令官はミサイル発射を受けて会談し、共同の防衛体制を強化する方針を確認した。
米インド太平洋軍は、日韓防衛への揺るぎない関与に変わりはないとする声明を出した。