パキスタン、バイデン氏の「危険な核保有国」発言に反発
(CNN) パキスタン当局者らは15日、バイデン米大統領が最近、同国を「世界で最も危険な核保有国のひとつ」として名指しした発言に対し、米国の駐パキスタン大使を呼んで抗議したことを明らかにした。
バイデン氏は13日、米ロサンゼルスで開かれた与党・民主党の資金集めイベントで演説。米ホワイトハウスが発表した記録によると、この中でパキスタンは何のまとまりもないまま核兵器を保有していると述べ、最も危険な保有国と位置付けた。
この発言に対し、パキスタンのシャリフ首相は15日、「わが国は責任ある核保有国で、国際原子力機関(IAEA)の規定に沿った最高の安全措置を誇りに思っている」とツイート。「われわれはこれらの安全措置を最大限の真剣さで受け止めている。だれにも疑念は抱かせない」と強調した。
同国のブット外相は、バイデン氏の発言に驚き、シャリフ氏と話し合ったうえでブローム米大使を外務省へ呼び出したと述べた。
米当局者もCNNに、バイデン氏の発言後にブローム氏が呼び出されたことを認めた。周辺地域の米外交官らはバイデン氏の発言に当惑しているとも語った。
ブット外相は最大都市カラチでの記者会見で、シャリフ氏と同様に保有核の安全性を強調し、IAEAが定めるすべての国際基準を満たしていると述べた。また、バイデン氏の発言は関与不足による誤解が招いたとの見方を示し、「幸いなことにわれわれは関与の道を歩み始めたところだ」と述べた。