ロシア軍、ウクライナでレイプを「軍事戦略」手段に 国連特使
(CNN) 紛争下の性的暴力を担当する国連事務総長特別代表は16日までに、ロシア軍はウクライナでレイプや性的暴行を「軍事戦略」の一環として実行しているとの見方を示した。
同代表のプラミラ・パッテン氏は、ウクライナで今年2月以降に起きたレイプや性的暴行は100件以上に達していることを国連が立証したと述べた。
100件以上との数字などについては、国連の専門家パネルによる先月の調査報告に一部基づくとした。この報告は、独立的な国際調査団が作成したもので、戦争犯罪の証拠を発見したと主張。レイプや子どもへの拷問などに言及したが、疑惑の事例の件数には具体的に触れなかった。
パッテン代表はAFP通信との会見で、この調査報告に比べより詳細な内容に踏み込み、「複数の女性が性機能改善薬を持っているロシア兵について証言しており、明らかに軍事戦略である」と断じた。
性的暴行の被害者の年齢については、国連が調査した限り、4歳から82歳までに及ぶと指摘。「レイプ、拷問や隔離を受けた子どもも多い」とつけ加えた。
CNNは同代表のこれら主張を独自には確認できていない。
パッテン氏はまた、これら被害者の人数は決して実情を反映するものではないともし、レイプなどは過少報告の性格を持つ犯罪であることに注意を向けた。
ウクライナの内務省幹部は今年6月、警察に届けられたロシア軍が犯した性的犯罪への申し立ては約50件と報告していた。
一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は先月、ロシア軍によるウクライナでの戦争犯罪の疑惑について全て「虚偽」と突き放していた。