ウクライナ軍、ロシア軍撤退のヘルソン市に入る プーチン氏に打撃
ウクライナ・キーウ(CNN) ウクライナ南部ヘルソン市を占領していたロシア軍が東へ撤退するなか、ウクライナ軍は11日、ヘルソン市に入った。ウクライナにとって大きな勝利となる一方、ロシアのプーチン大統領にとっては侵攻開始以降で最大規模の後退となる。
ヘルソン市中心部の広場には、数カ月に及ぶロシア軍の支配を生き延びた市民が高揚感を漂わせながら集まり、新たに到着したウクライナ兵と抱擁を交わしたり、兵士と自撮りしたり、ウクライナ国旗を振ったりした。
ロシアはこの数時間前、ヘルソン州を流れるドニプロ川西岸からの撤退を発表。州都ヘルソン市や周辺地域をウクライナに明け渡していた。
撤退はウクライナでのプーチン氏の戦争努力にとって大きな打撃となる。2月の侵攻開始以降、ロシア軍が掌握したウクライナの州都はヘルソン市のみ。ドニプロ川東岸への撤退により、ロシアは開戦当初から占領し、プーチン氏が5週間前に併合を宣言したばかりの土地の大部分を明け渡す結果となった。
![ウクライナ軍兵士を歓迎する市民ら/Reuters](/storage/2022/11/12/6e32dd5f0848ac486c507bb2146dbb09/kherson-freedom-square-111122-super-169.jpg)
ウクライナ軍兵士を歓迎する市民ら/Reuters
ヘルソン州議会の議員は「ヘルソン市にウクライナ国旗が掲揚されている。今後、市内のすべての建物にウクライナ国旗が掲げられるだろう。我々は占領当初からこれを夢見ていた」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は11日夕、喜びに沸くヘルソン市を捉えた夜の動画を投稿。ウクライナにとって「歴史的な日」になったと形容した。
演説の時点ではウクライナ軍は市の郊外にいて、間もなく市内に入るところだが、特殊部隊は既に市内にいるという。ドニプロ川西岸に残るロシア兵に対しては投降を呼び掛けた。