マレーシア機撃墜事件でロシア人２人とウクライナ人１人に終身刑

（ＣＮＮ） オランダの裁判所は１７日、乗客乗員２９８人全員が死亡したマレーシア航空１７便の撃墜事件に関与したとして殺人罪に問われたロシア人２人とウクライナ人の分離主義者１人に終身刑を言い渡した。

裁判所は、元ロシア連邦保安局（ＦＳＢ）大佐のイゴール・ガーキン被告、元ロシア軍参謀本部情報総局（ＧＲＵ）職員のセルゲイ・ドゥビンスキー被告、そしてウクライナ人で分離主義者リーダーのレオニード・ハルチェンコ被告に対して「可能な限り重い実刑判決が適切」と判断した。

スティーンホイス裁判長は「（被告らの行動の）結果は非常に重く、被告人の態度は非常に憎むべきものであり、単なる期限付きの判決では十分ではない」と述べた。

被告らは全員、裁判への参加を拒否し、欠席裁判となったため、被告らが言い渡された刑に服する可能性は極めて低い。

被告３人と一緒に起訴されたロシア国籍の元ロシア軍特殊部隊員オレグ・プラトフ氏は無罪となった。

マレーシア航空１７便は２０１４年に、親ロシア派分離主義者とウクライナ軍との戦闘の中心地であるウクライナ東部の上空を飛行中に撃墜された。

裁判所によると、撃墜にはロシアのブークミサイルが使用され、攻撃時はロシアが分離主義者を支配していた。ブークミサイル発射には複雑なプロセスが伴うことを理由に、裁判所はミサイル発射は意図的だったと認定。しかし、操作した者は旅客機ではなく軍用機を狙っていると考えていた可能性が高いという。

スティーンホイス裁判長は、ブークミサイルを操作していた者はミサイルの破壊力を、そして攻撃の結果は航空機の撃墜と搭乗者全員の死亡という「明確なもの」であることを知っていたはずだと述べた。