核協議延期は「ほかに選択肢なかった」 ロシア外務次官
(CNN) ロシアのリャブコフ外務次官は29日、記者団に対し、米ロ間で実施するはずだった新戦略兵器削減条約(新START)に基づく二国間協議を延期したことについて、ロシア政府にはほかの選択肢がなかったと述べた。ロシア国営タス通信が伝えた。
リャブコフ氏は「我々にほかの選択肢がないような状況に発展した。決断は政治的なレベルで行われた」と述べた。
リャブコフ氏によれば、ロシアは、米国の交渉先が多くの分野でロシア側の意図を受け取ったり優先順位を考慮したりしようとしないだけでなく逆の行動を取るという状況に直面した。リャブコフ氏は「もちろん、ウクライナやその周辺で起きていることの影響もある」と述べた。
バイデン米政権は、今月29日からエジプト・カイロで始まるはずだった協議が延期されたことについて、ロシアを非難している。米国務省によれば、協議延期の決定はロシアによって一方的に行われた。
リャブコフ氏によれば、米国は核査察のテーマに集中しようとしたが、ロシアは優先事項はそれ以外の問題の解決だと考えているという。リャブコフ氏は、ロシアが米国に対して新たな協議の日程を提案するとしたが、協議が年内に行われる可能性は低いとの見通しを示した。