香港裁判所、天安門事件の追悼集会禁止に「違法」の判断 有力活動家の有罪判決覆す
下級裁判所が下した前出の判決では、ソーシャルメディアや地元紙に掲載した記事で追悼集会に言及したことが扇動に該当するとされた。当時鄒氏は既に、2020年の追悼集会に参加したとして禁錮1年の刑に服してもいた。
今回高等法院は、人々に集会への参加を呼び掛ける鄒氏の意図に関して下級裁判所の判断を支持したものの、最終的な裁定についてはこれを覆した。警察による21年の集会禁止が合法ではなかったというのがその根拠で、公的な集会を開催する方法について当時警察は「前向きかつ真剣な検討」を行わなかったとした。パンデミックの中ではあったが、警察にはそうした検討の実施が法律により義務付けられていた。
集会の禁止が効力を持たないなら、鄒氏の記事も犯罪として成立しない。従って同氏に対する有罪判決は取り消された。
鄒氏は他の罪でも起訴されているため、依然として勾留中。この中には国家安全保障に関わる罪状も含まれており、有罪になれば最大で禁錮10年の刑が言い渡される。