民主派メディア王に禁錮5年9カ月、詐欺罪で 香港
香港(CNN) 香港の裁判所は10日、香港紙・リンゴ日報の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏に詐欺罪で禁錮5年9カ月の量刑を言い渡した。
黎氏は現在は廃刊になったアップル日報の本社賃貸借契約の条項に違反し、自分が管理する会社に秘書サービスを行うコンサルティング業務の運営を隠していたと判断された。
禁錮刑のほか罰金200万香港ドル(約3520万円)も言い渡され、企業の取締役に8年間就けないことになった。
共同被告人だったアップル日報の親会社の幹部1人にも禁錮1年9カ月が言い渡された。黎氏とこの幹部はいずれも無罪を主張していたが、10月に有罪を宣告されていた。
黎氏は中国政府を批判する最も有名な人物の一人と知られ、2年近く勾留が続く。香港国家安全維持法(国安法)違反をめぐる裁判にも直面し、最高で終身刑が科される可能性もある。
黎氏は植民地時代の扇動法でも起訴されている。昨年には無許可の抗議デモに参加したとして、禁錮1年1カ月の有罪判決を受けた。
アップル日報は国安法の施行後に廃刊を迫られた新聞の一つ。警察は同社編集部の家宅捜索を行い、当局は同社資産を凍結した。
香港政府は同法が自由を抑圧するとの批判は不当であり、2019年の抗議デモ後の秩序回復を担ってきたと主張している。