キャセイ航空、最悪級の人員不足に直面か 操縦士組合が警告
香港(CNN Business) 香港最大手のキャセイパシフィック航空の操縦士組合(HKAOA)は13日までに、同航空は前例のない規模での人員不足や訓練の欠如に直面しており、ここに来ての航空需要の大幅な高まりに対応できない可能性があると警告した。
キャセイ航空で最も経験豊富なパイロットの退社が記録的な水準に達しており、辞めた機長や副機長は全体の40%超を占めたと報告した。この大量辞職の原因は労働条件の交渉の決裂とし、特に報酬面での対立に言及した。
HKAOAは声明で、キャセイ航空は航空産業界での主導的な地位の回復に必要な準備をせず、国際的な航空拠点としての香港の立ち位置も脅かしていると主張した。
香港の地元政府は今月、過去2年半続いた新型コロナウイルスに対応する隔離措置の終了を宣言。海外渡航への需要が激増する傾向も出始めている。
他の航空会社と同様、キャセイ航空は世界的なコロナ禍のなかで業績の深刻な悪化に直面。これに伴い社員の間の士気低下や相次ぐ退職に遭遇。世界で最も厳格とされる香港の隔離政策の適用を受けていた乗務員らの間にも不平不満が高じていた。
同航空の運送能力は最悪時には、新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)が始まる前に比べ2%にとどまる苦境にも陥っていた。
キャセイ航空は最近、隔離対策の終了に伴う入境規制の緩和に応じて数百便の新たな運航計画を発表。航空券購入を求める顧客も大量に出ていた。
HKAOAによる今回の警告を受け同社の報道担当者はCNN Businessの取材に、十分な資格があり熟練の技量を持つ航空の専門家らは確保していると説明。現在の運航態勢について最高の水準での安全性や顧客サービスを保った業務の維持は可能とした。
キャセイ航空は既に第一線の現場に立つとする4000人以上の社員の大規模な雇用計画に着手。今後18~24カ月間における同社の業務遂行に見合う人員面での手当てとしている。報道担当者は、操縦士との雇用契約は競争力がある内容になっていると判断しているともした。