英女王追悼の集会でハーモニカ演奏の男性、扇動容疑で逮捕 香港
香港(CNN) 香港で19日夜、英エリザベス女王の国葬に合わせて追悼に集まった市民らの前で、3年前に反政府デモのテーマ曲となった歌をハーモニカで演奏した男性が、扇動容疑で逮捕された。
SNSに投稿されたビデオには、英総領事館の前に数百人が集まった場面が映っている。英ロンドンで執り行われた国葬のライブ配信を携帯電話で流したり、ろうそくを掲げて花を供えたりする市民の姿もあった。
この中で1人の男性がハーモニカを吹き始めた。「香港に栄光あれ」と題した歌に合わせて、参加者らは携帯電話のフラッシュを振りながら「香港に自由の世を」といった歌詞を歌い、励ましのスローガンを唱えている。
そこへ警官が出動し、男性は警察車両に乗せられた。
警察はCNNの取材に対し、同日午後9時半ごろに43歳の男性が扇動行為の疑いで逮捕されたと述べた。事情聴取の後で保釈され、11月末に警察へ出頭することになっているという。
英総領事館前では2500人を超える人がエリザベス女王に哀悼の意をささげた=12日/Jan Camenzind Broomby/CNN
適用されたのは、英国の統治下で制定された扇動禁止の法律だ。違反者には最大2年の刑が科される。
当初はエリザベス女王や香港政府への侮辱発言を禁止する法律だった。数十年使われていなかったが、香港国家安全維持法(国安法)が施行された2020年に再び適用され、香港当局が反体制派の取り締まりに乱用しているとして、国際社会から批判を浴びている。