ヘンリー王子、アフガニスタンで戦闘員25人殺害したと主張 英軍関係者とタリバンから批判の声

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2012年、アフガニスタンへ従軍中のヘンリー王子/John Stillwell/AFP/Getty Images

2012年、アフガニスタンへ従軍中のヘンリー王子/John Stillwell/AFP/Getty Images

ロンドン(CNN) 英ヘンリー王子が、英国の軍事及び安全保障に携わる関係者の一部から批判を浴びている。さらにアフガニスタンの実権を握るイスラム主義勢力タリバンからも、怒りのこもった非難の声が寄せられている。ヘンリー王子が自伝の中で、アフガニスタンでの軍務中、タリバンの戦闘員25人を殺害したと明かしたことが背景にある。

英紙デーリー・テレグラフによれば、ヘンリー王子は殺害した戦闘員の人数について、10日刊行予定の自伝「Spare(原題)」の中で言及している。同紙は公式の刊行に先駆け、スペイン語版の見本を入手したとしている。

「自分の人数は25人だ。満足を覚える数字ではないが、恥じ入るものでもない」。報道によるとヘンリー王子はそう書いている。別の箇所ではタリバンの戦闘員を、盤上から取り除かれる「チェスの駒」に見立てたともされる。

CNNは書籍の見本を確認していないが、出版社に対して刊行前の見本を要請した。英国メディアの多くは5日の時点でスペイン語版の見本を入手。報道では英訳した抜粋を引用している。

ヘンリー王子のコメントは、軍関係者からの激しい反発を引き起こした。主要な人物らからはこうしたコメントについて、王子自身の安全を脅かし、英国軍の評判もおとしめかねないものだとする声が上がる。

英国の元安全保障担当顧問で2016~19年にかけて駐米大使も務めたキム・ダロック氏はスカイニュースの取材に答え、自分ならヘンリー王子にこうしたコメントをしないよう助言しただろうと語った。また退役した英軍将校のリチャード・ケンプ氏は同メディアに対し、こうしたコメントは王子の評判を「汚す」ほか、英国軍への否定的な見方を「不当に」植え付けるものだとの認識を示した。

「25人を殺害したと示唆することは、王子を傷つけたいと考える人たちを改めて焚(た)き付けただろう」「彼らが成功しないよう望んでいるし、王子には間違いなく相当優れた警護がついているはずだ」(ケンプ氏)

21年からアフガニスタンの実権を握るタリバンも、ヘンリー王子のコメントに怒りを表明。内務省の代理顧問を務めるアナス・ハッカニ氏は、王子が殺害した戦闘員について「チェスの駒ではなく人間だった。それぞれに帰りを待つ家族がいた」と述べた。

ヘンリー王子は10年にわたり英国軍での任務に就いた。アフガニスタンへは07~08年と12~13年の2度従軍した。

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